Ref. #栄養学 #内臓肉 #ホールフード #ビタミンB群 #鉄分 #野性

本日の問い
野生の肉食動物は、獲物を捕らえるとまず「内臓」から食べます。なぜ彼らは、筋肉(赤身)を後回しにするのでしょうか?それは、赤身が単なる「エネルギー源」であるのに対し、内臓は生命維持に必要な微量栄養素が凝縮された「宝庫」だからです。
こんな方へ
- 「内臓=脂っこいホルモン」というイメージしかなく、食わず嫌いをしている方。
- サプリメントに頼りすぎず、自然な食材からビタミンや鉄分を摂りたい方。
この記事の結論
- 赤身肉は体を大きくする「材料(タンパク質)」。内臓はそれをエネルギーに変えるための「代謝ビタミン・ミネラル」が集まる場所。それぞれ役割が異なります。
- レバーやハツには、現代人に不足しがちな鉄分や亜鉛、ビタミンB群が高密度で含まれています。サプリメントに頼る前に、これら「天然の高機能食材」を活用しましょう。
赤身は「材料」、内臓は「代謝」
スーパーで肉を選ぶとき、私たちは「ロース」「バラ」「モモ」など、いわゆる筋肉(正肉)を選びがちです。 これは当然で、赤身肉はタンパク質を摂るうえで非常に優秀です。
ただ、赤身だけを続けていると、どうしても薄くなりやすい栄養があります。 それが、ビタミンB群や鉄、亜鉛といった、エネルギーを作る・運ぶ・回すために必要な「微量栄養素」です。
内臓は、まさにそこが濃い部位です。 肝臓は代謝と貯蔵、心臓は循環、腎臓はろ過。 内臓は生命維持の要(かなめ)となる働きを担っているため、その機能を果たすために必要な栄養素が自然と集まっています。 野生動物が内臓から先に食べるのは、味の好みではなく、それが最も効率の良い栄養補給であることを本能で知っているからです。
内臓は、少量で効く「高密度栄養」
内臓の良さは、「量を多く食べなくても、栄養の幅が増えやすい」ところにあります。
同じ“肉”でも、赤身とは中身がかなり違う。目的に合わせて、部位を使い分けると食事が整いやすくなります。
1. レバー(肝臓):ビタミンと鉄が多い
- 特徴:ビタミンA、ビタミンB群、鉄が豊富。
- 注意点:栄養が濃いので、多ければ良いわけではありません。目安としては「週に1回程度・小鉢一杯くらい」で十分なことが多い。
※妊娠中の方はビタミンAの摂取量に注意し、医療者の指示に従って控えめに。
2. ハツ(心臓):クセが少なく取り入れやすい
- 特徴:鉄やビタミンB群が含まれ、脂は比較的少なめ。
- ポイント:内臓が得意でない方でも取り入れやすい部位です。
3. 砂肝(筋胃):高タンパク・低脂質で噛みごたえ
- 特徴:鶏の砂肝は“筋肉に近い”性質で、タンパク質が多く脂質は控えめ。亜鉛も含みます。
- ポイント:噛みごたえがあるので、食べ過ぎを防ぎたいときにも向きます。
4. 腎臓(マメ):ミネラルが多い部位
- 特徴:部位としてミネラルが入りやすい。
- ポイント:独特の香りが出やすいので、好みが分かれます。外食で少量からが無難。
5. ミノ/センマイ(胃):食感を楽しみつつ脂質は控えめ
- 特徴:脂質が少なく、食感がしっかりしている。
- ポイント:栄養価が突出して高いというより、赤身中心の食事に変化をつけたいときに便利です。
※ホルモン(小腸・大腸)はコラーゲンもありますが、全体として脂質が多い部位です。栄養補給というよりは、量を決めて楽しむ位置づけが現実的です。
無理なく「少量」を、定期的に
内臓は下処理の手間や臭みが気になり、自炊のハードルが上がりがちです。だから、最初から頑張らなくて大丈夫です。続けやすい形で十分です。
- 外食で「一皿」だけ増やす
焼き鳥屋や焼肉に行ったとき、いつもの注文に加えて「レバーかハツを1本(一皿)」だけ頼んでみる。これだけで、赤身中心の食事に厚みが生まれます。 - コンビニ・スーパーの活用
最近はコンビニでも「砂肝スモーク」や「ハツの塩焼き」などが手に入ります。お酒のアテとしてだけでなく、タンパク質のオプションとして優秀です。 - 魚を「丸ごと」食べる
肉に限りません。シシャモ、イワシ、煮干しなど、内臓ごと食べられる小魚を選ぶ。これも立派な「ホールフード(全体食)」の実践です。
赤身の食事に、「内側の栄養」を少し足す
赤身肉は、体をつくるための良い材料です。
ただ、材料だけを入れても、うまく回らない日がある。そんなとき、問題はタンパク質量ではなく、代謝を支える微量栄養素の不足かもしれません。
毎日食べる必要はありません。
週に一度、レバーを少し。あるいはハツを少し。
その“少量の追加”が、赤身中心の食事に厚みを出し、コンディションの土台を支える助けになります。










