不調の原因は? お腹と顔で探る自律神経の起源 [note030]

疲れが取れない、急に不安になる、なんとなく調子が優れない…。こうした心身の不調は、単なるストレスだけでなく、私たちの自律神経システムが、進化の歴史にはなかった現代の環境に戸惑っているサインかもしれません。

今回は、進化の観点から、自律神経がどのようにして生まれ、なぜ「お腹(内臓)」と「顔」のケアが大切なのか、その理由を追います。

生命の起源:内臓を安定させる自律システム

自律神経は、心臓の動きや体温など、あなたが意識しなくても生命を維持するために働く司令塔です。このシステムの起源は、生命が最も単純な構造だった頃に遡ります。

生き物が最初に最優先した機能は、「確実に食べて、消化する」ことでした。

外部環境に左右されず、この消化・吸収の活動を安定させるために、消化管(腸)の周りに特別な神経ネットワークが発達しました。これが、現在の「腸管神経系」の原型です。

リラックスに関わる副交感神経が消化・休息を司るように、自律神経の最も古い役割は、内臓環境の安定を保つことにあります。そのため、お腹(内臓)の状態が自律神経システムの基盤であり、内臓の調子が乱れると、身体は常に緊張状態を強いられてしまうのです。

進化の戦略:表情は「安全な状態」を伝えるシグナル

生命が集団で生活するようになると、生存のために仲間との協力が不可欠になりました。このとき、言葉よりも早く「自分は安全だ」という情報を伝える必要が生まれました。

そこで、内臓の状態を司る自律神経のシステムが、体の外部、特に顔の表情筋と直接結びつく、特別な進化を遂げます。

この仕組みは、「ポリヴェーガル理論」で説明されます。

リラックスに関わる副交感神経の一部は、表情筋をコントロールする役割を持っています。

  • 安全な状態:内臓が落ち着いていると、表情筋が緩み、穏やかな表情が生まれます。
  • 緊張状態:警戒が続くと、表情筋が固まり、他者との交流が停止します。

あなたの顔は、体の内側にある自律神経の状態を映し出す、重要な情報伝達の役割を持っています。ストレスで表情が硬い状態が続くと、脳は「まだ危険が去っていない」と認識し、自ら緊張を解除できなくなってしまうのです。

進化の視点から紐解く現代の不調

現代の慢性的なストレスは、この進化のシステムに誤作動を引き起こしています。

  • 内臓の不調:自律神経の基盤である内臓環境が不安定だと、身体は常に生命の危機を感じ取り、防御のための交感神経が優位な状態が続きます。
  • 顔面の緊張:表情が硬い状態は、脳に「緊張を続けろ」という信号を送り、不安や緊張の悪循環から抜け出せなくなります。

自律神経を整えるとは、この生命の基盤(お腹)と情報伝達の役割(顔)の繋がりを、現代の生活の中で回復させることなのです。

この記事を書いた人

トレーナーAzuma

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