Ref. #チートデー #レプチン #代謝適応 #ホメオスタシス #ハイカーボ

本日の問い
チートデーはストレス発散の暴食ではありません。セーブモードに入ってしまった脳を騙し、代謝のスイッチを再点火するための「戦略的な食事摂取」です。その具体的な方法についてまとめました。
こんな方へ
- ダイエットの停滞期に入り、食べる量を減らしても体重が落ちなくなった方。
- チートデーを「好きなものを好きなだけ食べる日」だと勘違いしている方。
この記事の結論
- 停滞期の正体は、代謝ホルモン「レプチン」の低下による省エネモード。チートデーの目的は、大量の糖質で「飢餓ではない」と脳に錯覚させること。
- 摂取目安は「体重×45kcal」。中途半端な過食はただの脂肪蓄積になる。脂質を抑え、体重×6g以上の炭水化物を思い切って食べるのが正解。
なぜ、体重が落ちなくなるのか
順調だったダイエットが突然止まる「停滞期」。 これは意思が弱いからではなく、人類の生存本能である「ホメオスタシス(恒常性)」が正常に働いている証拠です。
カロリー不足が続くと、脳は「今は飢餓状態だ。死なないように代謝を下げろ」と命令を出します。 この時、脂肪燃焼の指令塔であるホルモン「レプチン」の分泌が激減し、体は省エネモード(低燃費)に切り替わります。 この状態でさらに食事を減らすのは、冷え切った部屋でさらにエアコンの設定温度を下げるようなもので、逆効果です。
ここで必要なのが、チートデー(Cheat=騙す日)です。 脳に「食料は大量にある! 飢餓ではないから、代謝を全開に戻せ!」というふうに脳を騙す。これが生物学的なチートデーの正体です。
目安は「体重 × 40〜45kcal」
では、どれくらい食べれば脳は騙されてくれるのでしょうか。 結論から言うと、「中途半端な量では騙されない」ということです。
普段より500kcal多い程度では、脳は「たまたま獲物が捕れただけ」と判断し、代謝を戻してくれません。ただ余剰カロリーが脂肪になるだけです。 脳を完全に安心させるには、「基礎代謝の2.5倍」あるいは「体重(kg)× 40〜45kcal」という圧倒的な熱量が必要です。
【具体的な計算例(体重60kgの人)】
- 目標摂取カロリー:約2,700kcal (60kg × 45kcal)
普段のダイエット食が1,500kcalだとすれば、その倍近くを1日で摂取する必要があります。 「太るのが怖い」と怯えて中途半端に食べるのが、最も無意味でリスクの高い行為です。やるなら、義務感を持って徹底的に食べなければなりません。
「何でもいい」ではない。脂質を抑える。
ここで多くの人が犯す最大の間違いが、「ピザ、ラーメン、ケーキ」などの「高脂質・高糖質」を選んでしまうことです。
実は、代謝ホルモン(レプチン)を復活させるスイッチを押すのは、「炭水化物(糖質)」であり、脂質ではありません。 大量のカロリーが入ってきた時、脂質が多いと、体は代謝を上げるよりも先に「飢餓への備え」として体脂肪に蓄積しようとします。
成功するチートデーの黄金比は、「ハイカーボ・ローファット(高炭水化物・低脂質)」です。
【PFCバランスの目安】
- P(タンパク質): 普段通り(体重×1.5〜2g)
- F(脂質): 可能な限り低く(全体の15%以下)
- C(炭水化物): 体重 × 6〜10g(超大量)
60kgの人なら、炭水化物を1日で400g〜600g摂る計算になります。 これは、白米ならおにぎり10個以上、うどんなら5〜6玉、和菓子なら大量の団子や大福に相当します。 洋菓子(クリーム・バター)ではなく、和菓子(餅・あんこ)を選ぶのが、プロのチートデーです。
※重要:糖尿病やインスリン抵抗性がある方へ この方法は血糖値を急激に上昇させるため、糖尿病の診断を受けている方や、血糖コントロールに不安がある方には推奨できません。
頻度は「体脂肪率」で決まる
毎日やれば当然太ります。頻度は現在の「体の絞れ具合」によって決まります。体脂肪が低いほど、体は飢餓を感じやすいため、頻繁なチャージが必要です。
- 体脂肪率 25%以上(女性は30%以上): チートデーはまだ不要。まずは食事管理だけで落ちます。
- 体脂肪率 15〜25%(女性は20〜30%): 2週間に1回。
- 体脂肪率 15%以下(女性は20%以下): 7日〜10日に1回。
翌日の増量は「水分」
正しいチートデーを行うと、翌日体重は2kgほど増えます。 しかし、ここで絶望しないでください。それは脂肪ではなく、「グリコーゲンと水分」です。 糖質は水分を引き込んで体に貯蔵されるため、重くなるのは成功の証(燃料タンクが満タンになった証拠)です。
その水分は数日で抜け、代謝の火が着いた体は、そこから再び脂肪を燃やし始めます。 チートデーとは、快楽のための食事ではありません。 それは、停滞する体に揺さぶりをかける、極めて論理的な「代謝の再起動スイッチ」なのです。










