筋肉には「縦」筋膜には「横」:マッサージガンを“2台分”の価値に変える専門家の使い分け術 [note048]

Focus. #刺激のベクトル #組織特異性 #操作テクニック

Library Note [Note-048]

本日の問い

マッサージガンは、ただ「凝っている場所に当てればいい」ものなのか?

こんな方へ

  • マッサージガンを使っているが、叩くだけの使い方しかしていない方。
  • 「筋肉」をほぐすのと、「筋膜」を緩めるのの違いを知りたい方。

この記事の結論

  • 縦の振動(垂直)は、筋肉そのものを揉みほぐす「物理的マッサージ」である。
  • 横の振動(水平)は、皮膚と筋膜の滑りを良くする「筋膜リリース」である。
  • 目的が「コリの解消」なのか「リラックス」なのかで、角度を使い分けるのが正解。

マッサージガンを手に取ったとき、多くの人は「凝っているところにとにかく当てよう」と考えがちです。

しかし、この道具は当て方(角度)によって、「マッサージ機」にもなれば、「筋膜リリース機」にもなります。

重要なのは、強さではありません。振動を「縦に入れるか」、それとも「横に滑らせるか」。この方向の違いを理解するだけで、あなたのケアは劇的に変わります。

1. 縦の振動 = 「物理的マッサージ」

マッサージガンを垂直に当てて、トントンと叩く使い方です。 これは、筋肉そのもの(お肉)に対する物理的な刺激になります。

  • 狙い: 筋肉のコリ、固まった繊維、トリガーポイント
  • 効果: 指圧や揉みほぐしに近い効果があります。垂直な振動が筋肉を物理的に動かし、血流をポンプのように促します。 運動前のスイッチを入れる「活性化」や、ガチガチに固まったコリをほぐす「マッサージ効果」を狙うなら、この使い方が適しています。

2. 横の振動 = 「筋膜リリース」

マッサージガンを斜めに寝かせて、皮膚の上を滑らせるように揺らす使い方です。 これは、皮膚や筋膜(ボディスーツ)を横方向にずらす動きになります。

  • 狙い: 皮膚、筋膜(ファシア)、全身の張り
  • 効果: 癒着してベタついた組織構造に刺激を与え、滑りを良くします。これこそが「筋膜リリース」の本質です。 筋肉を叩くのではなく、表面の突っ張りを「アイロンがけ」して伸ばすようなイメージです。リラックスしたい時はこちらが最適です。

3. 「強く押し込む」のはNG

どちらの使い方をするにしても、絶対にやってはいけないのが「強く押し込むこと」です。 緩めたい一心でグイグイ押し込むと、身体は「攻撃された!」と勘違いして、かえって筋肉を硬くして身を守ろうとしてしまいます。

※なぜ強く押すと逆効果なのか? その詳しいメカニズムについては、以下の記事で解説しています。

4. 【実践】目的別の正しい使い分け

では、具体的にどう使い分ければいいのか。 「今、何を解消したいか?」に合わせて、角度を変えてみましょう。

ケース①:頑固な肩こりや、運動前の刺激に(縦)

「ここが凝っている!」というポイントがある時や、筋肉をシャキッとさせたい時。

  • 角度: 垂直(縦)
  • 当て方: 筋肉の束に対して垂直に当て、心地よい強さで響かせます。
  • ポイント: 指圧を受けているような感覚で、筋肉の奥のコリにアプローチします。

ケース②:全身の疲れや、お風呂上がりのケアに(横)

「なんとなく身体が重い」「リラックスしたい」という時。

  • 角度: 水平(斜め)
  • 当て方: ヘッドを斜めに寝かせ、皮膚の表面を「さする」ように滑らせます。
  • ポイント: 筋肉を揺らすというより、皮膚を微細に動かす感覚です。痛みはなく、くすぐったいような心地よさがあれば正解です。

まとめ:道具は「目的」に合わせて使うもの

マッサージガンは、一台で二役をこなす優秀なパートナーです。

  • コリをほぐしたいなら、縦に当てて「マッサージ」。
  • 緩んで整えたいなら、横に滑らせて「リリース」。

「ただ当てる」のではなく、「今はどっちが必要かな?」と考えて、手首の角度を少し変えてみてください。 それだけで、翌朝の身体の軽さは驚くほど変わるはずです。

この記事を書いた人

トレーナーAzuma

フィットネスの知見をもとに、動きやすい体づくりをサポート。「日常を軽やかに動く体作り」を目指して情報発信中。

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