体重が勝手に整う仕組みを作る 『体重のホームポジション“基礎編”』 [note033]

なぜ、頑張っても痩せにくい体になるのでしょうか?

もしあなたが、ダイエット中に「カロリーを頑張って減らしたのに、途中から全然体重が動かない…」と感じたなら、それは体が「防御モード」に入ったサインかもしれません。

長期間にわたり摂取カロリーを極端に制限し続けると、体はこれを生命の危機(飢餓状態)と判断します。すると、生存本能が働き、エネルギー消費を徹底的に抑え、少しでも入ってきたエネルギーを脂肪として溜め込もうとします。これが、ダイエット初期の順調な減量が一転、頑固な停滞期に入り、体重が落ちなくなる主な原因です。

さらに深刻なのは、この状態でダイエットを諦め、元の食生活に戻した場合です。体は飢餓状態から解放された反動で、以前よりも効率よく脂肪を蓄えようとし、結果的に以前より太りやすい、リバウンドしやすい体質になってしまいます。

この負のループを断ち切り、リバウンドの悩みを根本から解決するためには、私たちの体に備わっている「体重のホームポジション」という考え方を知っておくことが重要です。この仕組みを理解し、味方につけることは、気持ちの強さに頼らず、我慢しているという実感が薄いまま体重が整っていく“最も無理のない減量法”への道だと、私は考えています。

体に備わる「安定体重」自動調整の仕組み

「体重のホームポジション」とは、体が「ここが自分にとって最も安定し、安心できる体重ゾーンだ」と設定している基準のラインのことです。

私たちの体は非常に賢く、少しくらい食べすぎたり、食事を減らしたりしても、このホームポジションに自動で戻そうとする強力な調整機能を持っています。その調整役は主に2つです。

  1. ホルモンによる食欲調整:
    • 満腹ホルモン(レプチンなど): 脳に「もう十分だ」と伝え、食欲を抑えます。
    • 空腹ホルモン(グレリンなど) 「そろそろ何か食べよう」とサインを送ります。
  2. 代謝(エネルギー消費)の調整:
    • 摂取カロリーに応じて、体内で使うエネルギーの火力を微調整しています。

私たちの体は、「いつもの自分に戻りたい」という、強い安定志向を持っているわけです。

例えば、人間を対象にした過食実験では、1日に1万キロカロリーもの食事を続けたにもかかわらず、体重増加は途中でストップし、実験終了後には元の体重に自然と戻っていったという報告があるほど、この「戻る力」は強力です。

なぜ「安定体重」の基準は勝手に上がってしまうのか?

これまで多少食事が崩れても一定で維持できていた体重が、急に増えてしまった場合、それは単純なカロリーの増減や運動不足だけでなく、生活環境の変化によって「ホームポジション」自体が上方へシフトしてしまった可能性があります。

これは、急な仕事のストレス、睡眠不足、不規則な食事時間、加工食品の増加といった現代特有の環境要因が、体のホルモンや代謝のバランスを乱し、「この新しい体重こそが安定だ」と体に誤認識させてしまうからです。

そして、この新しい高いホームポジションを基準にダイエットを始めると、前述の「防御モード」が作動します。

これが、ダイエットの停滞期です。体重が落ちづらくなるのは、意思の弱さではなく、体が必死に「新しいホームポジション」を守ろうとしているからなのです。

体重が落ちていくと、体は「ホームポジションから離れている!」と判断し、空腹ホルモンを増やして食欲を刺激し、消費エネルギーを抑えて「元の安定した体重(=現在の高いホームポジション)」に戻そうとします。

太らない体質へ!ホームポジションを再設定する方法

このホームポジションの基準が遺伝の影響を受けるという調査結果もありますが、現在の研究では、

『人間の体は、そもそも太らないようにできており、スリムを維持できる構造を持っている』

という非常に重要なことが言われています。野生動物に肥満がほとんど見られないことや、昔の狩猟採集民が太っていなかったという事実は、その裏付けです。

この事実が導き出す結論は、現代の生活環境こそが、本来スリムでいられるはずの「体重のホームポジション」を乱してしまっているということです。

言い換えれば、この自然な仕組みに逆らわず、乱れたホルモンや代謝のバランスを整える暮らし方を見つけることこそが、意識的な努力なしで体重が整っていく“最も無理のない減量法”への道となります。

あなたの「ホームポジション」を乱している要因は何でしょうか?体重のホームポジションを理解することは、闇雲なカロリー制限ではなく、体に備わった賢いシステムを味方につける第一歩です。

この記事を書いた人

トレーナーAzuma

フィットネスの知見をもとに、動きやすい体づくりをサポート。「日常を軽やかに動く体作り」を目指して情報発信中。

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