お金には「複利」という魔法のような仕組みがあります。
毎月コツコツ積み立て、増えた分がさらに増えていく。若いうちから始めれば、最終的な差はとんでもない開きになります。
たとえば、20代から無理のない範囲で資産運用を始めた人と、60歳になってから「そろそろ貯金しないとな」と始めた人。投資の世界では、スタートを「いつ切るか」で数千万円単位の差が生まれます。
そして、この話はそのまま、私たちの「身体(からだ)」にも当てはまるのです。
「筋肉の貯金は複利で効いてくる」
こう言うと、多くの方は少し驚いた顔をされます。しかし本当は、お金よりもずっとシビアで、ずっとストレートに身体に返ってくる仕組みなのです。
お金の資産は増えていくけど、身体の資本は年々減っていく
給与や所得は、一般的に年齢とともに上がっていくケースが多いですよね。でも、身体は反対です。
- 10代〜20代: 筋肉も代謝もピーク
- 30代: 緩やかに下降していく
- 40代: 疲れやすさや太りやすさが急加速
- 50代: 回復力がガクッと落ちる
- 60代: 筋肉量がすごい速度で減り始める
これは、資産運用に例えるなら「元本が毎年少しずつ減っていく中で無理やり投資している」ようなもの。
20代の頃は、運動したらすぐ結果が返ってきます。筋肉はつきやすく、疲れにくく、回復も早い。
これが50代になると、同じトレーニングでも、返ってくる利回り(リターン)がガクッと下がる。そして残念ながら、身体は年齢とともに元本そのものが目減りし続ける。
だからこそ、できるだけ早く積み立てておく必要があるのです。
若い頃の筋肉の貯金は、利息の付き方が桁違い
10代・20代というのは、筋肉への投資でいえば「破格の利回り期間」です。
- 睡眠で回復し、食べたものが筋肉に変わりやすい
- 基礎代謝が高い
- メンタルも元気で、行動しやすい
この時期は、トレーニング1回の価値が本当に大きい。スクワット30回だって、ジョギング20分だって、身体は素直に応えてくれます。
逆に50代になると、「若いころの3倍疲れるのに、リターンは1/3」みたいなことが普通に起きる。
だから、20代でつくった筋肉は“将来の利息”として非常に大きい。
- 動ける
- 疲れにくい
- 太りにくい
- 姿勢が崩れない
- ケガをしにくい
これは全部、若い頃に貯めた筋肉の“利息”です。そして、その利息はさらに動ける体を作り、次の利息を呼ぶ。60代になった時にはその違いが、埋めようもないほどの差として現れてくるのです。
そして怖いのは「負債」もまた複利で増えるということ
これこそが、本当に怖い部分です。
多くの人は、筋肉の貯金をしているどころか、若い頃から身体の資産をどんどん「切り崩して」しまっています。
- 運動不足で筋肉の元本が減る
- 姿勢が崩れて関節に負債が積み上がる
- 睡眠不足で回復力の貯金が削られる
- ストレスでホルモンバランスが乱れる
これ、すべてが“身体の借金”です。
そして、借金に利息がつくように、身体の負債にも利息がつく。その利息は、30代・40代で確実に膨らんできます。
気づいた時には、
- 「どう動けばいいのかすらわからない」
- 「体が重くて何も始められない」
- 「少し歩いただけで息が上がる」
という状態になってしまう。これは筋肉を積み立ててこなかったというより、負債をずっと放置してしまった結果だと言えます。
貯金と同じ。筋肉の複利も“今日”から効き始める
筋肉は、一気にまとめて貯められません。後から「ボーナスで一気に貯金する」ようなことができません。そして“元本”である身体は、1年ごとに確実に減価していく。
――だからこそ、本当に大切なのは「今日から始めること」なのです。
筋肉は、やったその日から利息がつきます。
翌日の疲れ方、眠りの深さ、姿勢の安定感、階段の軽さ。
小さな利息が積み重なり、気づけばとてつもない資産になります。
当たり前のことですが、今日がいちばん若い日であり、いちばん利回りのいい日なんです。
筋肉の貯金は、お金の複利よりもずっとダイレクトに人生を変えます。何か始めるなら、明日からではなく今日からなんです。













