Ref. #ダイエット #精製度 #ホールフード #血糖値 #PFCバランス #食の品質

本日の問い
長年、ダイエット界隈では「糖質が悪者か、脂質が悪者か」という論争が続いてきました。しかし、最新の栄養学や世界的な潮流(ホールフード志向)は、全く別の答えを導き出しています。
こんな方へ
- ダイエットは「ご飯を抜くか、油を抜くか」の二択だと思っている方。
- 世界的な栄養トレンドが「何を制限するか」から「どう選ぶか」に変わってきているということについて理解したい方。
この記事の結論
- 従来のダイエットは「PFC(三大栄養素)の割合」ばかりを見ていたが、重要なのは栄養素が体内に入るときの「形(質)」である。
- 「精製度」が高い食品(砂糖、小麦粉、抽出油)は、自然界のブレーキ(食物繊維や細胞壁)が除去されているため、吸収が早すぎて代謝異常を引き起こす。
「何」を食べるかより、「どんな状態」で食べるか
「お米は太りますか?」 「お肉の脂は避けるべきですか?」
トレーナーをしていると、必ずこの質問を受けます。 しかし、この「糖質 vs 脂質」という対立軸自体が、実はもう時代遅れになりつつあります。
例えば、同じ「糖質」でも、
- A: コンビニの甘い清涼飲料水(果糖ブドウ糖液糖)
- B: 皮付きのサツマイモ
この2つが身体に与える影響は、天と地ほど違います。 Aは飲むと一瞬で血糖値を跳ね上げ、インスリンを大量に浪費し、脂肪として蓄積されます。 一方、Bは食物繊維という「殻」に守られているため、ゆっくりと消化され、持続的なエネルギーになります。
つまり、問題なのは「糖質そのもの」ではなく、それが「どのくらい精製(加工)されているか」なのです。
「精製」とは、自然のブレーキを外すこと
私が提案したい新しいモノサシ。それが「精製度」です。
自然界の食材は、本来「パッケージ(皮、種、繊維)」に入った状態で存在しています。 これを工場で分解し、食べやすく、消化しやすく加工することを「精製」と呼びます。
- 玄米 → 白米(ビタミン・繊維を除去)
- サトウキビ → 白砂糖(ミネラルを除去し、純粋な糖に)
- トウモロコシ → 植物油(種子の構造を壊し、油分だけ抽出)
精製度が高まれば高まるほど、食材は「自然の形」を失い、ただの「化学物質(カロリーの塊)」に近づきます。 これらは、食べる時の手間(咀嚼)も、消化にかかる時間もショートカットしてしまう。
以前のコラムでお話しした「安さと早さ」の追求が、ここでも起きています。 精製された食品は、いわば「ブレーキの壊れた車」です。 体内に入った瞬間、制御不能なスピードで吸収され、代謝システムをクラッシュ(脂肪蓄積・炎症)させてしまうのです。
世界の常識は「割合」から「質」へ
今、世界的な栄養のトレンドは、カロリー計算やPFCバランスの調整から、「フードクオリティ(質の選択)」へとシフトしています。
「NOVA分類(加工度による食品分類)」などが注目されているように、 「炭水化物を減らそう」ではなく、「超加工された炭水化物を、未精製の穀物や芋に変えよう」。 「脂質を減らそう」ではなく、「抽出されたサラダ油をやめて、魚やアボカドなどのホールフード(丸ごと)の脂質を摂ろう」。
これが、最も理にかなった、リバウンドのないボディメイクの考え方です。 「栄養の割合」を計算する前に、その「栄養の形」を見るのです。
「原型」に近いものを選ぶ
この基準を持つと、食事選びは驚くほどシンプルになります。 成分表を睨めっこして計算する必要はありません。
「これは、自然界にある形に近いか?」 ただそれだけを問えばいいのです。
- 100kcalのクッキー(精製された小麦と砂糖と油)より、100kcalのバナナ(未精製の糖質)を選ぶ。
- プロテインバー(加工品)だけに頼らず、ゆで卵(原型)を食べる。
形があるものは、噛む必要があります。消化に時間がかかります。 その「面倒くささ」こそが、身体にとっての安全装置であり、代謝を正常に保つ鍵なのです。
引き算ではなく、置き換えを
「糖質制限」や「脂質制限」は、何かを我慢する「引き算」の発想でした。 しかし、「精製度」のコントロールは、「質の高いものに置き換える」という前向きな選択です。
あなたの身体は、あなたが食べたものの「形」まで認識しています。 粉々に砕かれた工業的な栄養ではなく、生命の形を留めた「自然に近い食材」を送り込むこと。
それこそが、一時的な減量ではなく、生涯にわたって太らない、機能的な身体を作るための最短ルートなのです。
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