「糖質 vs 脂質」論争に終止符:太る原因は“栄養の割合”ではなく“栄養の質”にあった [note098]

Ref. #ダイエット #精製度 #ホールフード #血糖値 #PFCバランス #食の品質

Library Note [Note-098]

本日の問い

長年、ダイエット界隈では「糖質が悪者か、脂質が悪者か」という論争が続いてきました。しかし、最新の栄養学や世界的な潮流(ホールフード志向)は、全く別の答えを導き出しています。

こんな方へ

  • ダイエットは「ご飯を抜くか、油を抜くか」の二択だと思っている方。
  • 世界的な栄養トレンドが「何を制限するか」から「どう選ぶか」に変わってきているということについて理解したい方。

この記事の結論

  • 従来のダイエットは「PFC(三大栄養素)の割合」ばかりを見ていたが、重要なのは栄養素が体内に入るときの「形(質)」である。
  • 「精製度」が高い食品(砂糖、小麦粉、抽出油)は、自然界のブレーキ(食物繊維や細胞壁)が除去されているため、吸収が早すぎて代謝異常を引き起こす。

「何」を食べるかより、「どんな状態」で食べるか

「お米は太りますか?」 「お肉の脂は避けるべきですか?」

トレーナーをしていると、必ずこの質問を受けます。 しかし、この「糖質 vs 脂質」という対立軸自体が、実はもう時代遅れになりつつあります。

例えば、同じ「糖質」でも、

  • A: コンビニの甘い清涼飲料水(果糖ブドウ糖液糖)
  • B: 皮付きのサツマイモ

この2つが身体に与える影響は、天と地ほど違います。 Aは飲むと一瞬で血糖値を跳ね上げ、インスリンを大量に浪費し、脂肪として蓄積されます。 一方、Bは食物繊維という「殻」に守られているため、ゆっくりと消化され、持続的なエネルギーになります。

つまり、問題なのは「糖質そのもの」ではなく、それが「どのくらい精製(加工)されているか」なのです。

「精製」とは、自然のブレーキを外すこと

私が提案したい新しいモノサシ。それが「精製度」です。

自然界の食材は、本来「パッケージ(皮、種、繊維)」に入った状態で存在しています。 これを工場で分解し、食べやすく、消化しやすく加工することを「精製」と呼びます。

  • 玄米 → 白米(ビタミン・繊維を除去)
  • サトウキビ → 白砂糖(ミネラルを除去し、純粋な糖に)
  • トウモロコシ → 植物油(種子の構造を壊し、油分だけ抽出)

精製度が高まれば高まるほど、食材は「自然の形」を失い、ただの「化学物質(カロリーの塊)」に近づきます。 これらは、食べる時の手間(咀嚼)も、消化にかかる時間もショートカットしてしまう。

以前のコラムでお話しした「安さと早さ」の追求が、ここでも起きています。 精製された食品は、いわば「ブレーキの壊れた車」です。 体内に入った瞬間、制御不能なスピードで吸収され、代謝システムをクラッシュ(脂肪蓄積・炎症)させてしまうのです。

世界の常識は「割合」から「質」へ

今、世界的な栄養のトレンドは、カロリー計算やPFCバランスの調整から、「フードクオリティ(質の選択)」へとシフトしています。

「NOVA分類(加工度による食品分類)」などが注目されているように、 「炭水化物を減らそう」ではなく、「超加工された炭水化物を、未精製の穀物や芋に変えよう」。 「脂質を減らそう」ではなく、「抽出されたサラダ油をやめて、魚やアボカドなどのホールフード(丸ごと)の脂質を摂ろう」

これが、最も理にかなった、リバウンドのないボディメイクの考え方です。 「栄養の割合」を計算する前に、その「栄養の形」を見るのです。

「原型」に近いものを選ぶ

この基準を持つと、食事選びは驚くほどシンプルになります。 成分表を睨めっこして計算する必要はありません。

「これは、自然界にある形に近いか?」 ただそれだけを問えばいいのです。

  • 100kcalのクッキー(精製された小麦と砂糖と油)より、100kcalのバナナ(未精製の糖質)を選ぶ。
  • プロテインバー(加工品)だけに頼らず、ゆで卵(原型)を食べる。

形があるものは、噛む必要があります。消化に時間がかかります。 その「面倒くささ」こそが、身体にとっての安全装置であり、代謝を正常に保つ鍵なのです。

引き算ではなく、置き換えを

「糖質制限」や「脂質制限」は、何かを我慢する「引き算」の発想でした。 しかし、「精製度」のコントロールは、「質の高いものに置き換える」という前向きな選択です。

あなたの身体は、あなたが食べたものの「形」まで認識しています。 粉々に砕かれた工業的な栄養ではなく、生命の形を留めた「自然に近い食材」を送り込むこと。

それこそが、一時的な減量ではなく、生涯にわたって太らない、機能的な身体を作るための最短ルートなのです。


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この記事を書いた人

トレーナーAzuma

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