忙しい日々の台所は、小さな決断の連続です。冷蔵庫の前で立ち尽くし、何となく目についたものを並べた結果、食後に感じる「いまいち満たされない」感覚。
その原因は、あなたの料理の腕前ではありません。「決める回数の多さ」にあります。仕事、連絡、家事の合間に、毎回ゼロから献立を考えるのは、脳にとっては大きな負荷です。
そこで提案したいのが、あらかじめ「大きな枠としての食事の型」を決めてしまうというシンプルな発想です。
まずは固定メニューを『3つ』
なぜ「3つ」なのか?
1つではすぐに飽き、2つでは気分で揺らぎ、4つ以上になるとまた迷いが生まれる。経験上、「3つ」は、迷いにくさと変化の余地のバランスが最も良い数です。
しかも、前回のコラムでお伝えした「主食の前のひと口」(サラダ、味噌汁、豆腐など)を、どのパターンにも自然に組み込むことができます。
ここで決めておくのは、細かな「レシピ」ではなく、大枠としての「型」です。
「先にひと口」 → 「主菜を少し」 → 「主食」
この順番だけを守れば、主菜の味や食材は日替わりで十分です。食後の「満足感」という結果だけがブレない仕組みを先に作っちゃいましょう。
「型」のつくり方と実践の流れ
まず、スマホのメモに「朝・昼・夜」の項目を作ります。そしたら、朝・昼・夜のそれぞれの食事ごとに、以下の流れを意識して組み合わせを3つずつ書き出してみましょう。
- ひと口要員(先): 味噌汁、冷奴、サラダ、ヨーグルトなど
- 主菜(中): タンパク質と噛める要素(肉、魚、卵、きのこ、野菜など)
- 主食(後): ご飯、パン、麺など
あんまり深く考えすぎずに、いま家にある材料でざっくり仮決めするのがコツです。まずは1週間だけ実践してみて、飽きたり合わないと感じたら入れ替える。大事なのは、献立をゼロから考える場面を減らすことです。
同じ「型」のまま、サバがツナになり、豚が鶏になり、玄米がそばになる。材料は変わっても、食後の感覚は決してぶれません。
買い物は「補充」にする
日々の食事の大きな型が決まると、買い物は「献立を考える時間」ではなく「足りないものを補う補充」に変わります。
常備したいのは、タンパク質(卵、鶏むね・サラダチキン、魚缶、豆腐・厚揚げ、ヨーグルト)。噛める要素(ナッツ、カット野菜、海藻、きのこ、全粒パンや玄米パック)。そして「ひと口要員」の即席味噌汁や豆腐小パック。
使ったら補う— その行動が、選ぶ場面そのものを減らします。
まとめ
「あらかじめ食事の型を決める」ことは、あなたを縛るためのルールではありません。迷いを減らし、食後の波を小さくするための、心と体の下地です。
朝昼夜に3パターン。固定メニュー3つ。まずは1週間だけ試して、合わないものは入れ替える。さっそく試してみてくださいね。
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