足指スイッチをONにすると身体が整う

便利さの陰で、足指は“お休みモード”に?

靴って、本当に便利です。雨の日も安心だし、ケガの不安も減る。私も毎日お世話になっています。
でも夕方になると、ふくらはぎが張る/歩幅が小さくなる/なんとなく体が落ち着かない……。そんな日はありませんか?
それ、足指の働きが少しサボり気味というサインかもしれません。

昔の暮らしと今の床――小さな“ズレ”

昔は、土や草、石のような凹凸のある地面を当たり前に歩いていました。足裏は地面から情報を受け取り、足指は細かく動いて“地面をつかむ”。その積み重ねが、土踏まず(アーチ)という「ばね」を育て、推進力と安定につながっていました。
一方いまは、平坦な床とクッション性の高い靴が日常。足を守る一方で、指先が働く機会は減りがちです。つま先が細い靴だと指が寄り、親指で「前へ押す」感覚が薄れやすくなります。

まずは“思い出す時間”を

この変化は悪いことではありません。便利さに助けられているのも事実。体は正直に順応しているだけです。
だからこそ、足指に「もう一度思い出してもらう」時間を、日常にほんの少し差し込んでみましょう。

歯みがき1分でOK:足指スイッチON

立っても座っても大丈夫。今日からできる簡単メニューです。

トー・ヨガ(指のスイッチ)

  • 親指だけをそっと持ち上げて戻す ×10回
  • 親指以外の4本を持ち上げて戻す ×10回
    うまく動かなくてもOK。足の甲に「きゅっ」と小さなシワが寄れば十分です。

ショートフット(アーチのばね)

  • かかと/親指のつけ根/小指のつけ根は床につけたまま
  • 土踏まずを“すっと短く”するイメージで5秒キープ ×5回
    力みすぎず、そっと行いましょう。

タオル・ギャザー(つかむ感覚)

  • 床のタオルを足指で手前にたぐり寄せる ×30秒
    指先がポカポカしてくれば、感覚が入ってきたサインです。

歩き出す前の“ちょっとした仕込み”

外へ出る前に30秒の準備を。

  • かかとの上下をゆっくり20回
  • つま先を軽く広げるストレッチ20秒
    これだけで「地面を押して進む」感覚が見つかりやすくなります。

靴選びのヒント

いきなり薄い靴に変える必要はありません。いまの靴でも練習は十分可能です。
次に買い替えるときは以下の2点を意識してみてください。

  • つま先にややゆとりがある
  • かかとがしっかりしている
    この小さな工夫だけでも、親指で前へ押し出す感覚が戻りやすくなります。

日常に戻って“観察”する

運動のあと、日常の中で小さく観察してみましょう。

  • ふくらはぎの張りが軽い
  • 足裏があたたかい
  • 歩幅が自然に出る
    このうち一つでも感じられたら合格。足指とアーチが働いたサインです。

この記事を書いた人

トレーナーAzuma

フィットネスの知見をもとに、動きやすい体づくりをサポート。「日常を軽やかに動く体作り」を目指して情報発信中。

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