夕食を終えたのに、つい何かを探してしまう。お腹はいっぱいなのに、気持ちが落ち着かない。
これは意志の問題というより、体の設計と現代の食環境のズレです。長い時間をかけて形づくられた私たちの体は、「よく噛み、香りや食感を感じながら食べる」前提でできています。いまは、やわらかく、早く、単調でもたっぷり食べられる。満腹は早いのに、満足が遅れる——そのギャップが“もう少し”を生みます。
なぜ“満たされない”が起きるのか
満腹=胃や血糖の反応。満足=五感と栄養の条件がそろったときに生まれる感覚。ここが混ざると選び方がブレます。
- 栄養の偏り:糖と脂は足りるが、タンパク質・食物繊維・微量栄養が不足しやすい。
- 咀嚼不足:やわらかい食品が中心で、「食べ終わっていい」の合図が弱い。
- 香り・苦味・温度の単調さ:単調だと満足の立ち上がりが鈍い。
- 食べ方の環境:ながら食べ・早食いで“味わった記憶”が薄い。
体で起きていること
- 血糖の波が大きくなる:急上昇→急降下で、眠気やだるさ。
- 間食の増加:満足を埋めようとして一口が増える。
- 消化負担の偏り:吸収が速い食が続くとリズムが崩れやすい。
- 自己否定:食べても満たされない自分を責め、選択がさらに不安定に。
今日からの“ひと口”プラス
主食の前に、タンパク質かサラダを“ひと口だけ”入れる。
拍子抜けするほど単純ですが、これで満足の立ち上がりが変わります。
- 例:ゆで卵半分/豆腐ひとさじ/味噌汁を三口/サラダ一口/ナッツ3粒。
- ねらい:咀嚼・タンパク質・食物繊維のスイッチを先に入れて、血糖の立ち上がりをおだやかに。
- ポイント:本当に一口でOK。続くほうが効果的。
まとめ
“満腹なのに満たされない”は、体の設計と食環境のズレが原因。主食前のひと口で、満腹と満足の差は縮まります。さっそく今日から心がけていきましょう。
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